2匹のWEB漂流者の子供らが青じろいインターネットエクスプローラーの底で話していました。
『nameはわらったよ。』
『nameはかぷかぷわらったよ。』
上の方や横の方は、白一色で手抜きのように見えます。そのなめらかな天井を、
ぶつ切りの変なFLASHが流れて行きます。
『nameはわらっていたよ。』
『nameはかぷかぷわらったよ。』
『それならなぜnameはわらったの?』
『知らない。』
面白くないGIFが流れて行きます。閲覧者らもぽつぽつぽつとつづけてどこかへ行ってしまいました。
それはゆれながら水銀のように光って、もっと面白いサイトの方へ上って行きました。
つうと銀のいろの腹をひるがへして、ノンアルコールビールが冷蔵庫から出てきました。
『nahopaは消えたよ。』
『nahopaは無くなったよ。』
『nahopaは消えてしまったよ………。』
『閉鎖したよ。』
『それならなぜ閉鎖した。』
兄さんのWEB難民は、その右側の五本の指の中の二本を、マウスの平べつたい頭にのせながら言いました。
『わからない。』
nameがまたツウと戻つてPCの方へ行きました。
『nameは笑ったよ。』
『笑った!』
にわかにパッと明るくなり、TOP画像がまた変な画像に変わりました。
光波で作られた意味不明な絵が、底の白い壁紙の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだりしました。
泡や小さなごみからはまつすぐな棒立ちの人型の物体が、斜めにギャラリーの中に並んで立ちました。
nameがこんどはそこら中の画像をくちゃくちゃにして、おまけに自分は目をギラギラさせながら、又上流(グーグル)の方へ逃げていきました。
『nameは何故、ああ行ったり来たりするの?』
弟のWEB難民がまぶしそうに眼を動かしながら尋ねました。
『何かエロいことをしてるんだよ。保存してるんだよ。』
『保存してるの?』
『うん。』
そのnameがまた怪しげなサイトから戻つて来ました。
今度はゆっくり落ちついて、指も手も動かさず、ただ呆然とPCの前に座り、お口を環(わ)のように円くしてモニターを直視しながら失神していました。